移住者インタビュー Vol.10
好きの「どまんなか」を自分で選ぶ生き方
移住者
小溝朱里さん(2023年4月移住)
居住歴
静岡県→大阪府→鳥取県→岡山市→玉野市
仕事
ライター、カフェawaiオーナー、軸ナビゲーター
玉野市に移住したきっかけは?
実は私、好きのどまんなかを自分で選んだのって、玉野への移住が初めてだったんです。
静岡市に生まれ育って、大学は浜松市へ。その後京都府に拠点がある企業に就職しました。
転勤で鳥取県に引越しして2年目、勤務先の環境に慣れてきたころに新型コロナウイルスが流行。接客が中心の仕事だったので、やりたいことが存分にできなくなってしまいました。そのとき、働き方や住む場所について考えるようになったんです。
というのも、鳥取から実家の静岡に帰る途中に岡山駅で乗り換えをするのですが、岡山は気候が良いなと感じており、「晴れている場所に住みたい!」と思うようになったんです。
また、「伝える」という仕事は接客でなくてもできると感じ、ライターの仕事をしてみたいと思うようになりました。偶然、倉敷の市民ライター養成講座を見つけ、受講したことがきっかけで、退職後すぐに「岡山で暮らす」という選択をしました。当時は、岡山駅の近く(岡山市北区)に暮らしていました。
玉野市との出会いは、2022年。元々文化や芸術に興味があり、瀬戸内国際芸術祭でオフィシャルツアーガイドをしました。その時、週に1回は玉野市へ通い、徐々に街の雰囲気に惹かれていきました。
瀬戸内国際芸術祭でガイドをする小溝さん
どのような流れで移住しましたか?
瀬戸内国際芸術祭の秋会期が終わる頃、瀬戸内海が見える、おだやかなこの街が好きのどまんなかで、「そこに住みたい!」と直感したんです。
玉野市在住のガイドの先輩に話をしたら、不動産屋を紹介してもらいました。
でも実は、好きな場所に暮らすことが初めてで、怖くなってしまったときもありました。仮に嫌いになる要素が出てきてしまったら、私の大切な「好き」を、ひとつ失うんじゃないかって。
また、岡山駅周辺よりは生活必需品を買える場所が少なく、「本当に暮らしていけるのかな?」と、決断が揺らいだ時期もありました。でも、何度か物件を見に行ったら、スーパーや薬局にすぐ行けるとわかったし、何より「やっぱりここに住みたい」と心の声が聞こえたので、自分の直感を信じ「好きのどまんなかの気持ち」に向き合いたいと思いました。
玉野市のいいところを教えてください。
「色々なものとの、いい距離感」だと思います。近すぎず、遠すぎない、いい距離だなって。
特に、人との距離が心地いいなと思います。
自分の個性をしっかり持っている方が多い印象で、私から見た玉野に住む人は、皆それぞれ「自分の島」のようなものを持っているように感じます。自分の島を大切にするように、相手の島も大切にしているように見えるんです。だからか、玉野に住む人は、地元の人も、移住者も、年齢も性別も関係なく、対等に接してくださる方が多い気がします。それがいい距離感を作っているように思うんです。
また玉野は、思わず立ち止まりたくなるのがいいなと思っています。日常と非日常が両方ある感じとか、空と海がグラデーションのように見える瞬間とか。まるでそれぞれが重なり合っているような瞬間が多くて、私はつい立ち止まって、深呼吸しながら今を感じたくなるんです。
空と海のグラデーション
玉野を通り過ぎて直島などの離島に行く方も多いのですが、「一度玉野で立ち止まって、ゆっくりしてみてよ」と伝えたくなりました。
そんな想いから、現在シェアショップUZを間借りし、1か月に2~3回「カフェawai」を営業しています。awaiは「重なり合う」という意味で、私の思う玉野にぴったりだと思っています。
カフェawaiのケーキセット
カフェawaiにて不定期でワークショップも実施
移住を検討している人へ、メッセージをお願いします。
「移住」というと、人生をかけた大イベントのようなイメージを持つ方も多いと思いますが、私みたいにゆっくり段階を経て移住をするのも選択肢としてアリだと思います。
もし玉野が気になる人がいたら、ぜひ一度、玉野に遊びにきてください。好きのどまんなかだと感じたら、暮らしてみてはどうですか。
お話を伺った場所~東山ビル2階~
関連URL
小溝さん note (こあ@瀬戸内暮らしエッセイ)<外部リンク>
小溝さん 個人インスタグラム(@koa_akari)<外部リンク>
カフェawai インスタグラム(@cafe_awai)<外部リンク>