【副業人材活用推進事業】課題解決に取り組む事業者のプロジェクト状況を紹介します!
玉野市で課題解決に取り組む事業者のプロジェクト状況をご紹介
玉野市では、市内中小事業者の持続的な成長を支援するため、副業プロ人材活用推進事業を実施しています。本事業を通じて、参加事業者は「課題解決」や「攻めの経営」に取り組み、各社の強みを活かした新たな挑戦を始めています。
今回は、ベーカリーの新商品開発、アパレル企業のブランディング戦略、製造業の事業領域拡大など、進行中の課題解決プロジェクトの状況をお伝えします。それぞれの事業者が、副業プロ人材とともにどのような目標を掲げ、どのように取り組んでいるのか、具体的な事例をご紹介します。
はなぱん<外部リンク>
事業内容:ベーカリー型菓子・パン小売業
【テーマ】日持ちのする新商品開発、販売戦略立案
左:オーナー・野田さん 右:副業プロ人材・馬田さん
Q1:プロジェクトの目標は言語化できましたか?
野田さん:まずは、2025年2月までに「日持ちのする新商品」を3点完成させることを目標にしました。添加物を使わない商品の短い賞味期限は、遠方のお客様にはお応えできないという課題となっています。毎年6月から11月にかけて、首都圏向けの食品商談会や、岡山県展示大商談会でフードマッチングフェアというコンテストなどがあります。これらのイベントに出展することを視野にいれ、現在開発中です。
Q2:現時点での成果やその見込も含めて現状を教えてください
野田さん:新規商品開発は、まず1点を試作中です。新商品は、「はなぱん」がこだわってきた添加物フリーに加え、地元の食材を取り入れる工夫をしています。
日々の業務に加え、特にクリスマスシーズンの繁忙期は新商品開発の時間が思うように取れなかったのは悩ましかったですが、楽しみながら試作を進めることができました。
これまではやりたいことがあっても、何をどう始めていいのかわからず動けなかったり、先のことをじっくり考えたりする余裕がありませんでした。
プロ人材の馬田さんは個人事業を含めた零細の食品業者支援を多く手掛けています。特に新商品開発において、保存テストや表示までの工程、ネーミングや値付け、販路開拓まで、細かなところまで大変詳しい人です。また、広島在住で岡山の事業者の支援をされていることもあり、地元開催の商談会や原料の調達先にも明るく、日々教わることばかりです。自分たちだけではその情報を仕入れるまでにも長い時間がかかったはずですが、今回のご縁のおかげで私は商品作りに集中することができ、妹はその間に包装材などを調べるなど機能的に分業できるようになりました。
新商品は日持ちの部分はもちろん、パートさんたちにも作れるものにすることで、より一層効率的な働き方と働きがいを叶えられる店にしていきたいです。
有限会社DASH(玉野食品グループ会社)<外部リンク>
事業内容:アウトドア、スポーツアパレル商品の企画・販売
【テーマ】 ブランディング、EC販売戦略、商品開発
左:(有)Dash・店舗運営責任者のあべ木さん、右:副業プロ人材の深沢さん
Q1:プロジェクトの目標は言語化できましたか?
あべ木さん:2025年3月までにロゴ、ブランドストーリー、コンセプト、ターゲット(ペルソナ)設定までを作成することにしています。その後、2027年に向けてDASHビジョンとして、具体的な売上目標やオンラインや実店舗の出店計画を含めた将来像を描いていく予定です。
Q2:現時点での成果やその見込も含めて現状を教えてください
あべ木さん:現地で2〜3週間に1回のペースでオンラインミーティングを実施しています。深沢さんからブランディングについてレクチャーや事例紹介があり、次のミーティングまでの宿題を実施して、フィードバックを行うような流れで進めています。
最初はブランディングと売上・利益がどう結びついているのかイメージできませんでしたが、深沢さんとのミーティングを重ね、ブランド価値がお客様満足につながるということが徐々に理解できました。昨年11月にはAmazon出店も実現し、売上も順調に伸びています。ただ、年末の商戦期は繁忙になり、ブランディングの方に手をつけられていなかったので、今後のスケジュールは深沢さん、社長とも相談して調整していく予定です。
深沢さん:オリジナル商品の売り上げアップに向け、現在進めているブランディングやマーケティング戦略の効果について、あべ木さんと丁寧に確認を重ねています。この共通認識をベースに、プロジェクトをスタートしました。ロゴデザインについては、繁忙期と重なり少し停滞しています。そのため、プロジェクトの進め方について再度提案する予定です。具体的には、シンボルの再提案、運用開始時期の設定、ホームページの開設スケジュール、さらにマーケティングにおけるメディア活用や商談会を通じた販路開拓などを考えています。
大同塗装株式会社<外部リンク>
事業内容:船舶や大型海洋構造物、プラント、工場設備等、幅広い領域で塗装工事全般
【テーマ】 事業領域の拡大と新規案件の獲得に向けた経営との壁打ち
大同塗装(株)・前田専務取締役
Q1:プロジェクトの目標は言語化できましたか?
前田さん:プロ人材とともに具体的な目標設定に向けて議論を重ねているところです。創業70年以上の実績がある一方で、取引先や事業環境の変化に柔軟に対応していくために、私たちの強みを改めて見つめ直し、新たな挑戦の方向性を明確にしていく必要があると考えています。
Q2:現時点での成果やその見込も含めて現状を教えてください
前田さん:プロ人材の勝並さんと対面での打ち合わせを経て、現在はオンラインでディスカッションを重ねています。勝並さんからは「経営者だけでなく、社員の意見も取り入れながら進めていく」という提案があり、主要メンバー5名を集めて勉強会を実施することにしました。勝並さんが講師で、テーマは「なぜ利益を出さなければならないのか〜新しい事業の創出」 としました。特に由良町の事業所は、40代前半の地元出身者が中心となっており、新しいチャレンジの実証拠点として可能性を感じていますし、規模が小さい分、意思決定から実行までのスピードを活かせると考えています。 これからは「いかに安く作るか」ではなく「価値ある技術」を適正な価格で提供していくことが重要です。その実現に向けて、由良町の事業所から新しい取り組みにチャレンジしていく予定です。プロ人材の勝並さんの支援を得ながら、社員一人一人が主体的に考え、行動できる組織づくりを目指していきたいです。
副業プロ人材とは?
本業以外に自身の専門的な経験・知識・スキルを活かして副業を行うプロフェッショナルを指します。彼らは主に販路拡大、広報PR、各種業務改善、人事・採用などの分野で、コンサルティングやマーケティングに優れた人材です。各分野の第一線で活躍しながら、自分のスキルを他の企業やプロジェクトに提供します。
副業プロ人材は、自身のキャリアの幅を広げ、収入を増やすだけでなく、多様な経験を積むことで本業にもプラスの影響を与えることができます。近年、働き方の多様化やリモートワークの普及により、プロ人材の副業希望者が増加しています。このようなプロ人材を地方の中小事業者が活用する新しい経営手法が年々拡大しています。
事業の概要
市から副業プロ人材を取扱う事業者(株式会社カルビン 東京都港区 代表取締役 東 慶親)に委託し実施しています。支援希望事業者と副業人材をマッチングし、副業人材により課題解決を支援します。
関連リンク
・副業人材活用推進事業 協定式のページへ
・ステップアップ支援事業補助金のページへ
※副業人材活用に必要な経費が補助対象になります。
○令和6年度の活動レポート
・【副業人材活用推進事業】自社の成長に向けた「課題解決」に意欲的な事業者10社が決定しました!
・【副業人材活用推進事業】玉野市の企業で課題解決に取組む副業プロ人材が決定しました!