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玉野で活躍する人「たまのスター」Vol.31 渋川マリンアクティビティ協会

印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示 ページID:0058905 更新日:2026年10月23日更新

 本市は、“晴れの国おかやま”の中でも日照時間が長く、「晴れのまちたまの」と言われています。空が晴れているので、夜空に輝く星も美しく見えます。
 玉野で星のように光り輝き、活躍する人「たまのスター」のインタビュー記事を連載しています。
 第31回は、渋川のきれいな海を守りながら、ビーチスポーツの普及と観光振興の活動を行っている渋川マリンアクティビティ協会の安原賢一さんと河本直幸さんです。

(取材日 9月30日)

渋川海岸を日本一のビーチに!

   たまのスター(安原さん、河本さん)
安原 賢一さん、河本 直幸さん

主な活動内容は。たまのスター(安原さん)

 渋川マリンアクティビティ協会は、渋川海岸を舞台に、ビーチスポーツや観光振興に関連する事業の企画運営などを行う団体です。

安原さん そもそもの始まりは、平成17年にブラジルで開催された第1回FIFAビーチサッカーワールドカップでした。日本代表が4位となり、国内でビーチサッカー普及の機運が高まったことをきっかけに、ビーチスポーツに適した海岸として、翌年から渋川海岸で年2回ビーチサッカーの大会が開催されるようになりました。その後、平成26年に「JFA 第14回全日本ビーチサッカー大会」を渋川海岸で初めて開催。ビーチスポーツチーム「ハレクティオ岡山」もこのときに結成しました。また、渋川海岸をビーチスポーツの聖地にするため、「おかやまビーチスポーツ協会」として、ビーチスポーツの設備や用具など、渋川海岸の環境を整備することに注力しました。

 しかし、「いくら環境がよくても、真に強いチームがなくては聖地とは言えない」と考え、ビーチスポーツチーム「ハレクティオ岡山」の運営と人材育成のための団体として、平成31年に本協会を立ち上げました。協会での活動を続けるうちに、「ビーチスポーツでまち起こしができるのではないか」と思うようになり、これまでチーム内で人材育成として行っていた教育手法などのノウハウを活かし、現在では地域社会の課題解決の役割の一端も担うようになりました。

 活動内容は多岐に渡ります。渋川海岸で行う企業研修などの「ひとづくりの事業」。子育てで奮闘しているお母さんをターゲットとしたピラティスプログラムや、令和5年から始まった「渋川LOVE&BEACH」など、渋川海岸の朝や夜の魅力を活かしたイベントを開催し、まちの活性化を図る「まちづくり事業」。さらには、ビーチでの運動を通じて、海になじみのない最近の子どもたちに、渋川海岸をより身近に感じてもらうための「未来づくりの事業」。玉野市や、玉野市で育つ人材を育てていくため、様々な事業に間口を広げています。

 

渋川海岸について。たまのスター(安原さん、河本さん)

 渋川海岸は、他の海岸に比べて海洋ごみが少ないです。また、晴れの日が多く気候がよいほか、フラットに広く地質(砂地)がよいため、「日本一ビーチスポーツに適した海岸」とも言われています。この唯一無二の環境があるからこそ、東京や大阪、九州など、全国から若く優秀な選手や移住者を呼び込むことができると考えています。渋川海岸から世界で戦う日本代表選手を継続して輩出し続けることで、将来の地域活性化や人口課題に貢献できるようにしたいです。

 また、ビーチスポーツは、安全性確保のために競技前に清掃活動を行うことから、「地球環境スポーツ」とも呼ばれます。渋川海岸をきれいに保つための継続した活動の成果が認められ、令和7年7月には「海岸功労者*」として表彰され、今年8月には、「海岸協力団体」にも指定されました。いずれも岡山県下では初めて評価されています。

 最近では、子どもたちの「海離れ」が問題となっていますが、裸足で行うビーチスポーツは、不安定な地盤で神経を使うことから、子どもの体幹やバランス能力など、運動能力の基盤をつくるためにも役立つと言われています。また、子どものころの経験や思い出は一生ものです。玉野市のこれからを担う子どもたちに、渋川海岸で楽しい思い出を作ることで、地元の海により深い愛着をもってもらいたいです。

*安原さん個人としての受賞

やりがいを感じたことは。たまのスター(河本さん)

 最近では、地域課題に基づいた事業を多く行っています。

 日本の18歳未満の子どものうち9人に1人が、また、片親世帯の2人に1人が貧困という現実を知り、今年度、新たに「お弁当バンク」と称して、経済的に貧しい家庭の子どもたちにお弁当を提供するプロジェクトを立ち上げました。大手弁当チェーンでお弁当を買った人が、子どもたちのために弁当代を寄付することができる仕組みを作り、食事に困った子どもたちが、店頭でステッカーに氏名・学校名・学年を記入するだけで、無料でお弁当を受け取れるようにしました。また、自治体と連携することで、子どもの身体に傷があるなどの異変を察知した場合は、通報できるセーフティネットとしての機能も持たせています。

 今年度は、給食が長期間なくなる夏休み期間中に、取り組みに賛同した5店舗(玉野市、倉敷市、岡山市、赤磐市、福山市)で実施したところ、500件以上もの寄付が集まりました。中には、小さい子どもが「これ、寄付できますか」と募金箱を抱えてレジを尋ねた事例もあったようです。500件の寄付のうち、180個のお弁当が実際に子どもたちに届けられました。結果を受けて、店舗からは、実施後も、引き続き続けたいという声を聞いています。私たちのプロジェクトが、地域で支え合う習慣づくりの一助になったのだとすれば、とてもうれしく思います。

 

今後の展望は。

 私たちが企画・運営する事業には、「ハレクティオ岡山」に所属する選手も運営側として関わってもらっています。競技以外にも選手の活躍する場所を設けることで、選手の人材育成につなげることを目標としています。スポーツ選手はセカンドキャリアの形成が難しいことが問題となっていますが、「ハレクティオ岡山」所属選手には、競技の外でも活躍できる力を付けてほしいと考えています。

 実際に、以前、チームワークに不和をもたらし、問題となっていた選手が、競技外での活動や人とのかかわりを通じて人間的に成長し、チームメンバーからキャプテンに選出され、慕われるまで成長しているのを見て、とてもうれしく思ったことを覚えています。1人が頑張るのではなく、みんながそれぞれの強みを活かして活動することで、100年続くクラブチームにしたいですし、チーム内だけではなく、地域や子どもたちの未来に貢献していきたいです。

 

情報発信室より

 「未来づくりの事業」の一環として、子どもたちにマイクロプラスチックなどの海洋ごみについての授業も行っているそうです。その中で、ビーチスポーツを盛り上げながら、日本古来の文化である「来たときよりも美しく」という精神をもっと広めていきたい、との安原さんの思いを聞かせていただきました。地元の海をより身近に感じ、また、その海の環境を守ろうと活動する人がいることを知るのは、子どもたちにとって、とてもよい学びになると思いました。
 県下最大級の海水浴場がある恵まれた環境にありながら、玉野市でも子どもたちの間で「海離れ」が起こっていることは、とても残念に感じます。きれいな海と海岸をこれまで以上に大切にしていくことで、未来を担う子どもたちにとっても、渋川海岸が誇りに思える場所であり続けてほしいと願います。

広報たまの令和8年11月号

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