取材日:令和5年11月28日
静岡県浜松市出身。高校まで静岡の学校に通い、岡山大学法学部に進学。2018年(平成30年)に両備ホールディングス株式会社に就職。玉野営業所に配属され、玉野へ移住。玉野市コミュニティバス「シーバス」や路線バス、観光バスなどの運転手を務めている。
シーバスや路線バス、貸切バスの運転が主な業務です。
両備グループは多様な事業体であり、以前より興味を持っていました。その中でもバス事業は、公共性の高い仕事ができることに魅力を感じました。総合交通キャリア職で採用され、今は現場で運転手をしながら業務を学んでいます。
高校はバスで通学していたので、バスが遅れることは知っていました。実際に運転手として働いていると、渋滞などの道路事情で遅れることがありますが、乗客の皆さんは辛抱強く待ってくれて、「遅い」と非難されることも少なく、優しい人が多いです。
コロナ禍で多くの人が外出を控えていた時期は、渋滞がなく、普段では考えられないような早い時間に終点まで行けることがありました。驚いたのは、玉野市役所から岡山駅まで乗客が0人のときがあったことです。現在は、日々車内の様子からお客様もコロナ前の生活に戻りつつあるように感じています。
また、昨今はバス乗務員の担い手不足も深刻であると実感しています。
大学で法学を学んでいたので、自分と相手の立場から考えるように心がけています。「自分が利用する立場だったらどうすると嬉しいか」などを日ごろから考えて仕事をしています。
保育園の遠足の送迎に貸切バスが使われることがあります。子どもたちが乗り降りしやすいように、踏み台を出して補助をしています。普段とは違うお客さんである、子どもたちに「ありがとう」や「またね」と言われると嬉しいです。遠足で疲れたのか、バスに乗って1分ほどで子どもたちが寝ていてほほえましかったです。
一番は事故を起こさないことです。そのために、「あわてない」「気持ちにゆとりを持つ」ことを常に念頭においています。入社以来無事故継続中は私の誇りです。
外がまぶしい時には日よけを設置したり、雨や霧の時は、普段よりも速度を落として昼間でもヘッドライトをつけたりして、事故をおこさない基本を徹底しています。
プロドライバーであるバスの運転手は車の運転が上手そうに見えますが、いつも大型車両に乗っているので、自家用車が軽四自動車だと、車幅感覚が違いすぎて駐車時に左右どちらかに寄ってしまい、止め直す人をよく見かけます。
玉野に住んで7年目になりますが、バスの運転をしていて、藤井海岸を通ると海がきれいだなと思います。
先日は、護衛艦『ゆうべつ』の進水式の時にちょうど藤井海岸を通ったので、華やかな様子を見ることができました。