取材日:令和5年11月21日
1986年(昭和61年)福井県福井市出身。地元の小中高校を卒業後、福井大学工学部へ進学。同大卒業後、2009年(平成21年)に福井県の化学系企業に就職する。名古屋支店(愛知県)に転勤後、本社勤務として福井県福井市に戻る。2018年(平成30年)9月に退職。2019年(平成31年)3月に玉野市へ移住し、2022年(令和4年)6月から「もんしーファーム」を開業。大藪みかん、その他柑橘や有機ハーブの栽培・加工・販売をしている。
1986年(昭和61年)岡山県岡山市出身。地元の小中高校を卒業後、島根大学法文学部へ進学。同大卒業後、愛知県名古屋市のIT系の企業に就職する。貴史さんの仕事の知り合いを通じて出会う。貴史さんの転勤に伴い結婚し、福井県福井市へ転居、絵を描き始める。貴史さんが農業の道に進むことに伴い、全国のみかん農家に話を聞きに行き、農業の勉強をする。玉野市へ移住後、「もんしーファーム」の企画・営業・デザイン担当として、みかんを入れる段ボール箱やTシャツ、のぼり旗などをデザインしている。
農業をしています。みかんや甘夏、ネーブル、はっさく、有機ハーブを栽培、道の駅みやま公園やオンラインなどで販売しています。
(貴史さん)
みかんが好きだからです。
大学卒業後、化学系の会社に勤めていましたが、大好きなみかんに携わりたいと2018年(平成30年)9月に退職し、愛媛や熊本などの全国のみかん農家に話を聞きに行ったり、収穫のアルバイトやインターンシップ(職業体験)に行きました。
玉野のみかんの現状を知り、ここなら自分のやりたいことができると感じました。赤磐市にある農業大学校で研修を受けながら、大藪で畑を借りて顔を知ってもらい人脈を広げていきました。
(彩子さん)
子どものころから絵を描くことが好きでした。夫の「農業」と私の「アート」をかけ合わせることができるのは、私たち夫婦ならではの強みだと思います。みかん箱などのデザインは、もんしーファームのイメージの「かわいらしさ」を表現しています。モデルは私たちが飼っているうさぎや猫なんですよ。
岡山はフルーツ王国と言われていますが、玉野の特産品である「大藪みかん」を知らない子どもたちが多くて驚いたとともに、もっと多くの人に知ってもらいたいと思っています。
みかんの木は、収穫できるまでに5年と言われていて、今の畑にある大きいみかんの木で樹齢30年くらいです。新たに植えても、途中で枯れてしまうこともあるので木を育てるのは大変です。さらに雑草を刈ったり、木をせん定したりと、手入れが欠かせず、放置してしまうとみかんの木がダメになってしまいます。私たちもゼロからではなく引退されるみかん農家さんから引き継ぐことでお互いの問題を解決することができました。
働くことに関して「人間力」が大切だと思っています。学校での勉強以外にも仕事ではコミュニケーション力、問題解決力、共感力や発想力なども必要です。
誰かのために、何かをした結果、対価を得るものが「仕事」だと思います。誰かのために何かをした結果、対価を得ることがないのが「ボランティア」、自分のためでかつ対価を得ることがないのが「趣味」だと区分しているので、「仕事」をするときには、それが誰のためになっているかを意識して働いています。
お互い好きなことを仕事にしているので、家での会話も農業やアートが話題になります。休日も農業やアートの話をしています。
みかん畑には、野うさぎが出ます!
宇野にあるループ橋近くの山にそそり立つ岩です。全国でも珍しい景色だと思います。大きな岩がゴロゴロしていて今にも落ちてきそうだなと思って見ています。
大藪のみかん畑にも石が多いですが、このことがミネラル豊富なみかんにつながっているのではないかと思っています。
(貴史さん)
自分のことを知ることが大切です。自分のやる気につながることを考えてみてください。
私は何も考えずに約10年間サラリーマンを経験しましたが、32歳で転職すると決めて、自分の好きだったことにヒントがあるかもと思い返すと、飲み会や懇親会、レクリエーションなどで人を楽しませるのが好きだと気づきました。そこからは脱サラし、「みかん愛」 で今に至りますが、自分が好きなことをやっているときは言い訳しづらいと思います。誰かが喜んでくれる顔を思い浮かべながら、自分が面白いと思えることを探してみてください。
(彩子さん)
夫に「子どものころは何が好きだった?」と聞かれて、絵を描くことが好きだったと思い出しました。
初めのころはうまく描くことができず、もどかしい思いをしましたが、自分の感じたことを表現できればいいと割り切りました。すると、それが良かったのか賞をいただくようになりました。
上手に描くのが大切ではなく、「感じたことを表現して伝えたい」という気持ちでいる方が私の場合はストレートに相手に届くような気がします。
胸上漁協組合の事務所の壁にウォールアートを描いているのですが、私が感じた胸上の印象を描いています。子どもたちがこの絵を見て喜んでくれる姿と、その子どもたちを見て笑顔になる地域の人の笑顔を想像しながら描いています。近くに行った場合はぜひ見てみてくださいね。
移住ポータルサイト「たまののくらし」
先輩移住者インタビュー Vol.3