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玉野で活躍する人「たまのスター」Vol.18 歌舞伎俳優 坂東やゑ六さん

印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示 ページID:0050892 更新日:2025年9月19日更新

 本市は、“晴れの国おかやま”の中でも日照時間が長く、「晴れのまちたまの」と言われています。空が晴れているので、夜空に輝く星も美しく見えます。
 玉野で星のように光り輝き、活躍する人「たまのスター」のインタビュー記事を連載しています。
 第18回は、玉野市出身で、現在は歌舞伎俳優として活躍され、令和6年度日本俳優協会において奨励賞を受賞した、板東やゑ六(ばんどう やえろく)さんです。

(取材日 7月31日)

多様な役を演じ分け活躍!

坂東やゑ六さん
坂東 やゑ六さん

歌舞伎を始めたきっかけは。

坂東やゑ六さん もともと、母が日本舞踊をしていた影響で、踊ることが好きでした。また、小学6年生の時テレビで見た歌舞伎で、男性が女方(おんながた)*の格好をし、綺麗な姿で踊っているのをみて感銘を受けました。そこから中学卒業のタイミングで歌舞伎の養成所に入ることを決断しました。
 養成所に入るための試験が、中学校の卒業式の日と重なっていたので、卒業式を欠席し、試験を受けに行ったことを覚えています。それだけ強い気持ちで、自分には歌舞伎しかないと思い試験に挑みました。

15歳で親元を離れ、最初は不安しかありませんでしたが、自分の夢を尊重してもらったからには途中で諦めるわけにはいかないと思いました。

*女性の役あるいはそれを勤める役者

 

女方と立役の両方を演じようと思ったきっかけは。

 最初は、女方(女性の役)をやりたいと思っていましたが、なかなか女方の役が回って来ず、立役(たちやく)*だけを演じていた時期がありました。1年ほど経ってから女方の役が回ってきて、立役と女方を交互に演じるようになり、その積み重ねが今に至ります。
女方と立役それぞれの視点が分かるので相手の求めていることが理解しやすいことは、両方演じていて良かったと思う部分です。
 過去に、どちらか一方に絞ることを考えたこともありましたが、両方演じることで今の自分があると感じているので、今後も女方と立役の両方を演じていきたいと思っています。
*広い意味で使う場合、女方に対する男性全般

大変なことは。​

坂東やゑ六さん 女方も立役も両方やる上で大変なことは、役によって自分を変えなければいけないことです。どこまでその役に入り込めるかが重要なので、女方を演じるときは立役、立役を演じるときは女方の良い部分を見つけ、相手のことをしっかり理解することを意識しています。
 立役が守ってあげたいと思えるような女方を、女方がついていきたいと思えるような立役を演じること、この両方の使い分けを意識することが、役に入り込むためには必要だと考えています。

 また、女方と立役に共通して言えることは、我慢をすることです。例えば、女方の場合は、正座を30分間続けなければいけないこともあります。正座をしている間は、芝居の空気を壊さないよう、芝居を見ることもできません。1つの舞台で女方も立ち役も演じることがあるため、女方で正座を続けた後、立役で立廻り(たちまわり)*をすることもあります。非常に大変ですが、やっていくうちにコツをつかみ、足の痺れを逃がす方法がわかるようになってきました。

*劇中での闘争場面のこと

受賞した感想。

 初めはまさか自分が賞をもらえるとは思っていませんでした。常に一生懸命やってきたので、それを見てくれて認めてくれた皆さんがいて、このような素晴らしい賞をいただくことができたと思っています。
自分がさらにステップアップするきっかけにもなると思うので、感謝しながら今後も勉強し、努力し続けたいです。

今後の展望は。

 後輩がどんどん活躍してきているので、自分も負けず、良い手本になれるような役者になりたいです。
また、女方と立役の両方を演じている分、より多くのことを後輩に教えることができるので、自分だけでなく周りも一緒に育っていけたらと思います。

 いつどんな役がきても応えられるように、女方も立役も両方極めて、さらにステップアップしていきたいです。

歌舞伎を見るときに注目してほしい箇所は。

 まずは舞台の美しさに注目してほしいです。また衣裳がとにかく華やかなので、衣裳の刺繍や、頭の飾りなど一つ一つの細かい部分を見てほしいと思います。歌舞伎に対して敷居が高いイメージを持っている人もいるかと思いますが、事前に知識が無くても楽しんで見てもらえる演目も沢山あります。

シティプロモーション推進室より

 今回のインタビューでは、歌舞伎の奥深さや舞台の裏側での役割など、普段はなかなか聞くことができない貴重なお話を聞くことができました。
中学校卒業のタイミングで、親元を離れることを決めたというお話を聞いて、歌舞伎に対する思いの強さを感じたような気がします。
 今後の活躍も非常に楽しみです。
歌舞伎を見たことがない人でも、この機会に見にいってみるのも良いかもしれませんね。

掲載場所

広報たまの令和7年10月号

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