本市は、“晴れの国おかやま”の中でも日照時間が長く、「晴れのまちたまの」と言われています。空が晴れているので、夜空に輝く星も美しく見えます。
玉野で星のように光り輝き、活躍する人「たまのスター」のインタビュー記事を連載しています。
第3回は、創業アシスト奨励金を受け、起業後、食を通じて地元の活性化に取り組んでいる「はなまるこ」の名合彩さんと望さんを紹介します。
(取材日6月5日)
姉:名合 彩さん(左)妹:望さん(中)母:美和子さん(右)
彩さん 姉妹でドーナツ店を開店し、2人で切り盛りして営業しています。姉の私が主に商品の開発や接客を担当しています。
望さん 妹の私は店のメイン商品となるドーナツと焼き菓子の製造を担当しています。母も時々接客を手伝ってくれます。
彩さん 平成30年12月に開業しました。それまで、私は衣料品のメーカーに勤め、デザインの担当などをしていました。
望さん 私はパン屋に勤めていて、製造を担当していました。
2人 妹が転職するのをきっかけに、家族で何か始めることはできないかと話し合いました。ドーナツは学生時代にドーナツショップでアルバイトをしていた母の好物で、子どものころに家族でよく作っていた思い出深いおやつでした。いくつか案はありましたが、家族で始めるならと、ドーナツをメインに開業することに決めました。
望さん ドーナツの製造は独学で、私の経験したパン製造のノウハウや、姉のデザインの経験などを活かして、一から考えていきました。
2人 玉野で生まれ育ったので、地元で開業したかったというのも理由のひとつですが、玉野に今までなかったような、珍しいスイーツを買える店を作りたいという思いもあり、縁あって築港に出店しました。
2人 起業する際、事業をしている親族がいなかったので、何から始めれば良いかなど、全く分かりませんでした。その時、玉野商工会議所が開催する相談会や「創業塾」で、起業する流れや、ノウハウなどを教えてもらい、相談に乗ってもらえたので、とても助かりました。飲食店に特化したものではないので、商品開発などは自分たちで行いましたが、一般的な起業の流れが分かったので役立ちました。
ゼロから起業する人や副業でお店を持ちたい人、何から手をつけたら良いか分からない人には、とても助けになると思いますし、心強いと思います。
創業塾では、市の創業アシスト奨励金も教えてもらい、金銭面でも、開業時の助けになりました。
2人 起業当初はお客様が手土産として、店のドーナツを持って行ってくださり、それを食べて「おいしかったから」と訪れてくださるなど、口コミで店の存在が広がっていったように思います。
そういったこともあり、人の繋がりを大切にしています。県内の大学生から大学祭での商品の共同開発の話をいただいた時にも、一つのご縁だと思い、引き受けました。デザインや味付けなど、学生のアイディアで花のような形のカラフルなドーナツを作りました。
市内外のイベントやお祭りにも出店のお声がけをいただき、市外のイベントの時には、ハチミツやみかん、イモなど、できるだけ玉野の特産品を使い、色々な人に地元の食材を知ってもらえるような商品開発をしています。
また、「近所に住んでいるけれど来店するきっかけがない」「地元の個人店をあまり利用したことがない」などのお客様の声から、近隣の店舗と協力して、まち歩きスタンプラリーを企画しました。お客様から地元の店を訪れる良いきっかけになったという声をいただき、うれしかったです。
彩さん “はなまるこ”のドーナツを通して、人が繋がっていける場所になれたらと思っています。
望さん 細かいところに気を配りながら、よりおいしい商品を作りたいと思います。
2人 生まれ育ったまちなので、今まで意識していませんでしたが、お店を始めたことで子どもの時に気づかなかった地元の文化や特産品の良さに気づけるようになりました。地元は安心できる場所であり、これからも愛着を持って、人と地元の繋がりを大切にしていきたいです。
名合さん姉妹は、自分たちの得意な分野を活かしてゼロから開業されたのには驚きました。商品の開発は自分たちで独自に考えたもので、お店の棚などもお姉さんが自分で作られたとのことです。その他、お店には、お姉さん手作りのアクセサリーが置いてあったり、コロナ禍でイベントなどがなくなり、繋がりがあったアクセサリー作家さんの作品をお店にも常時設置し、販売を代行したりなど、「見て」楽しい空間となっています。
開業の際の話を聞く中で、何度も出てきたキーワードは「人との繋がり」で、これまでお二人がいかに人と繋がることに支えられ、大切にされてきたのかがよく伝わりました。
これからも人や地元の繋がりを大切にされる、お二人の活躍を楽しみにしています。
広報たまの令和6年7月号
玉野商工会議所ホームページ<外部リンク>