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玉野で活躍する人「たまのスター」Vol.4 ボクシング ユーリ阿久井政悟選手・夢さん

印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示 ページID:0042332 更新日:2024年7月24日更新

 本市は、“晴れの国おかやま”の中でも日照時間が長く、「晴れのまちたまの」と言われています。空が晴れているので、夜空に輝く星も美しく見えます。
 玉野で星のように光り輝き、活躍する人「たまのスター」のインタビュー記事を連載しています。
 第4回は、玉野市在住のボクシングWBA世界フライ級王者ユーリ阿久井政悟選手とマネージャーとして支える妻の夢さんを紹介します。政悟選手は3月に市の文化・スポーツ顕彰特別賞も受賞しています。

(取材日6月27日)

逆境を糧に世界王者に!

ユーリ選手と夢さん
​WBA世界フライ級王者ユーリ阿久井政悟選手と夢さん

ボクシングを始めたきっかけは。ユーリ選手

政悟選手 父と叔父がプロボクサーで、子どものころからいつかやってみたいと思っていました。中学1年生までサッカーをしていたのですが、中学2年生から地元・倉敷のボクシングジムに通い、ボクシングを始めました。高校生の時は、通っている学校にボクシング部がなかったので、自分で高校にかけ合い、先生やジムの会長の協力もあり、ボクシング部を作り、インターハイや国体に出場し、国体ベスト8などの成績を収めました。
 同じ平成7年(1995年)生まれには、田中恒成選手、比嘉大吾選手、山中竜也選手、井上拓真選手が世界王者になっていて、世界王者がとても多い世代なんです。先日の試合相手の桑原選手も同級生です。
 高校卒業後は、大学へ進学し、大学在学中にプロボクサーとしてデビューしました。卒業後はフルタイムで仕事を続け、令和元年に日本王者、今年1月の試合で世界王者になることができました。妻は高校の同級生で、結婚を機に、妻の地元である玉野に住み始めました。

マネージメントを始めたきっかけは。夢さん

夢さん 高校で知り合ったときに、ボクシングをしているのは知っていました。一緒に遊んでいても「ボクシングの練習があるから」と、途中で帰っていたので、練習は毎日しているのは知っていましたが、プロを目指しているとは知りませんでした。プロデビューの話を聞いた時も「へー、そうなんだ」ぐらいにしか、思わなかったです。初めて試合を見るまで、実感はなかったです。初めて試合を観戦した時は、ひやひやして、落ち着かなかったことを覚えています。それまでの試合は勝っていたのに、初めて見に行った試合が引き分けになってしまったので、私が見に行ったから引き分けになったのかなと思い、ショックを受けました。今でも試合の時は緊張しますが、最近は本人が自信を持ってリングに上がっているのが分かるので、安心して見ています。それでも、危険なスポーツに変わりはなく、子どももいるので、けが無く終えてほしいと毎試合思っています。
 結婚して知ったのですが、試合のチケットの販売や発送、イベントのスケジュール管理などを選手自身の夫がしていることに驚きました。チケットを手売りしたり、チケットの発送時に、自分でメッセージを書いたりしていました。けっこうマメなんです。
 それを見て、練習や試合に集中してもらえるように、本人でなくてもできることは、私が引き受けるようにしています。チケットの発送やSNSの更新、グッズ販売の告知、後援会やジムとの連絡、イベントのスケジュール管理など、環境を整えています。スケジュールは2人で可視化できるようにしています。

地方を選択したのは。玉野での生活は。二人とベルト

政悟選手 ボクサーとしては、東京の充実したジムとは違い、スパーリングの相手や専属のトレーナーが常時いないことなど、地方のジムに所属するハンデは大きいです。実は、大学進学の際に、東京の大学から声を掛けられたこともありました。それでも、倉敷のジムや玉野に住むことを選んだのは、今までお世話になったジムの会長がいたり、妻の実家があったりと、大切な人の側でやっていきたいと思ったことが大きいからです。
 厳しい環境の中でも、自分で考えながら、工夫して練習してきたことが今となっては、良かったのかなと思います。練習の時から、試合のイメージを意識しているので試合の時もイメージができています。ここ数年は自信がでてきたこともあってか、試合の時でも緊張しなくなりました。タイトルマッチや東京ドームでの試合でも緊張せず、勝つことだけに集中していました。
 試合の1か月前には、東京などに滞在して試合勘を養うためスパーリングを中心とした練習しています。仕事はその都度、休ませてもらうようになるのですが、会社の理解があってとても助かります。奥さんと今年4歳と2歳の娘も一緒に来ることがありますが、娘の保育園が通っていたりもするので、週末だけ東京に来ることもあります。
 玉野は海が近くにあり、渋滞も少なくて、静かで落ち着いたまちだと思います。最初、カニが道を歩いていたのを見つけた時はびっくりしました。公園もあり、こどもの医療費も18歳まで無料なので子育てしやすいと思います。
夢さん 夫は、お風呂に入れたり、保育園の送り迎えをしたりと積極的に育児をしてくれます。娘が赤ちゃんだったころは、おむつ代えや夜泣きの対応も、私よりすぐに気づいてやってくれていました。何でもしてくれて助かってます。
政悟選手 休日は娘を連れて宇野港に遊びに行きます。芝生があるので遊びやすし、帰りにはかき氷を食べて帰っています。娘はなぜかイチゴ味ばっかり選んで食べています。玉野にもう少し子どもの遊び場が増えるといいなとは思いますが、スポーツをできるところもあるし、不便はなく、満足度は高いです。
 最近は、玉野警察署の特殊詐欺防止の啓発ポスターに私が出ているので娘がまちでポスターを見つけると「パパだ」と喜んでいます。先日の東京ドームでの試合でも会場に娘の応援する声がよく通って、リングの上でも聞こえて力になりました。ボクシングジムの会長にも懐いて、かわいがってもらっています。ジムや後援会の人はみんな仲が良く、一体感があります。
 試合後には、東京ディズニーランドに行くのを家族みんな楽しみでにしています。ディズニー以外でも、キャラクターものが好きなので、これまで試合の入場時の衣装は奥さんと二人で考えて、映画のスターウォーズやグレムリンをイメージしたものだったりしました。試合の時には衣装にも注目して楽しんでもらいたいです。

今後の思い。ユーリ選手2

政悟選手 プロボクサーにとって、地方に住んでいることや、仕事をしていることはハンデかもしれません。それでも好きなことを一生懸命続ければ、場所や立場は関係なく、目標は達成できるものだと、目標に向かってがんばっている人に伝えたいです。がんばれば玉野から世界王者になれます。
 今は体重管理や減量も大きな問題もなくできているので、しばらくは階級を上げたりせずに、統一戦を目標に一戦一戦勝っていきます。
 まだ先にはなりますが、引退後は、地方に住みながら世界王者になったという貴重な経験を活かして、岡山県でボクシングジムを開き、子どもたちにボクシングと、この経験を伝えれたらと思っています。

情報発信室より

 お二人とも物腰がとても柔らかく、快くインタビューを受けていただきました。夢さんが、マネージャーの手腕を活かしてインタビュー中も話の内容を整理しながら進めてくださったので、とてもスムーズにインタビューできました。

 ユーリ選手は、こんなに優しく、丁寧な人が、東京ドームでボクシングの試合をして戦っていた人なのだろうかと思いました。本当に強い人は、穏やかで優しい、こういう人のことなんだろうなと感じました。

 最後に世界王者の拳を撮影させていただきました。拳が当たる部分の皮膚がすり切れていましたが、夢さんは意外とプニっとしていると話していました。こぶし
 これからも、厳しい試合が続くと思いますが、お二人の活躍を応援しています。

掲載場所

広報たまの令和6年8月号

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